受配電システム製作所
新事業創出グループ 2022年入社 小須田 貴之
※所属はインタビュー当時のものとなります
顧客と向き合うエンジニアを目指して
大学で電気電子工学を学び、卒業後は群馬県の配電盤・制御盤メーカーに就職しました。同社ではハードディスク検査装置のメカ設計を約5年にわたって経験。その後の5年は東京に移り、配電盤設計を担いました。電気とメカの両方に携わり、やりがいを感じていたのですが、キャリアを重ねる中で転職を意識するように。
というのも、会社では下請け業務が中心で、エンドユーザーの声を直接聞けない環境に成長の限界を感じるようになったんです。もっと顧客と直接向き合い、自ら提案して価値を提供したい。そんな想いから、エンジニアとしての将来を見据えて転職を決意したのでした。
転職先を選ぶ上で重視したのは、これまでの配電盤設計の経験を活かせること、顧客と直接関われること、そして完全週休2日制などの待遇面です。一方で、勤務地にこだわりはなく、「自分のやりたいことができること」を優先し全国で探しました。いくつかの企業を検討する中で、最も条件にマッチしたのが三菱電機です。勤務地が香川という縁もゆかりもない土地になることについては、妻も「決めたなら」と応援してくれ、迷いなく新たな挑戦を始めることができました。
グループの技術資産を活用し、新サービスを創出
入社後は新規事業開発を担当。IoTやAIを活用した受配電設備向けの新サービス「スマート保安」をゼロから立ち上げるという社内でも前例のないミッションを与えられました。サービス開発はもちろん、搭載するセンサーの選定から評価、クラウドとの連携まで、チームのみんなと考え、調べ、サービスを形にしていく。プレッシャーはありましたが、その仕事はやりがいや刺激に満ちたものでした。
開発に向けて特にこだわったのは、三菱電機グループの幅広い技術を応用することです。例えば、エアコン「霧ヶ峰」に搭載されている「ムーブアイ」がそのひとつです。私はこのセンサー技術を配電盤内の異常過熱検知に応用できないかと考え、社内で知見を持つ技術者を検索。直接コンタクトを取り、相談を重ねながら形にしていきました。
こういった連携ができたのも、グループの膨大な技術資産を共有する仕組みが整備されているからこそ。技術情報の検索や他製作所の技術者に直接アプローチできる環境は、開発者にとって大きな魅力です。一方、自社の技術や製品にこだわりすぎるとコストが嵩みます。スマート保安は導入コストが普及の鍵となるため、安価な民生品センサーを組み合わせるなどの方法を発案しました。このように広い視野で開発に取り組めたのは、他社での経験のおかげ。キャリア入社だからこそ活躍できるフィールドがここにあります。
変革期の最前線で、新たな挑戦ができるやりがい
入社当初は上司と二人でスタートした取り組みでしたが、その翌年となる2023年には新規事業創出グループが発足。以降はその一員としてチームでサービスの実現に向けて挑んできました。結果、開発した「スマート保安」は2025年4月にリリース。現在はお客様と共に実証実験に取り組んでいるところです。
サービスとしてはようやくスタートラインに立ったところですが、自分が初期から携わったものが形になり、世に出るというのは感慨深いものがあります。もちろん、「本当にお客様に使っていただけるだろうか」という不安もありますが、それ以上に、このサービスが社会の役に立っていくことへの期待感でいっぱいです。
振り返って思うのは、「転職してよかった」ということ。前職では叶わなかった「顧客と直接向き合い、自ら考えて価値を創り出す」という働き方が、ここでは実現できている。会社としても従来の「モノ売り」から「コト売り」へと舵を切る変革期にあり、その最前線で新しい挑戦を続けられることに大きなやりがいを感じています。 また、働き方が変わったことで、プライベートも充実しました。残業が減り、休日はしっかり休めるように。週末は妻と買い物に出かけたり、会社の仲間とバイクでツーリングを楽しんだり。オンとオフのメリハリが、仕事への活力にも繋がっています。