受配電システム製作所
受配電システム技術課 2017年入社 山下 将
※所属はインタビュー当時のものとなります
震災をきっかけに、電力インフラの世界へ
私がインフラ、特に電力に関心を持ったのは、大学入試の時期に経験した東日本大震災がきっかけでした。当たり前にあると思っていた社会基盤がいかに重要かを痛感し、将来は電力インフラに関わる仕事がしたいと考えるようになりました。大学では電気電子情報を専攻。就活では、かねてから志していたインフラ系企業に絞って活動を行いました。
電力会社に進むか、それともメーカーか。両者のあいだで揺れる中で参考になったのは、研究室の先輩のアドバイスでした。インフラの保守・運用が中心となる電力会社よりも、自らの手でモノを設計・開発してインフラをつくっていく役割を担うメーカーの方が自分には向いていると感じ、後者を志望しました。
数あるメーカーの中から三菱電機を選んだのは、まず実家のある岡山から近い西日本に拠点があったこと。そして、電力関係の研究をする中で、社会インフラに貢献できる大きな会社というイメージがあったからです。また、研究室には三菱電機で働く先輩もおり、楽しそうに働いている姿も後押しになりました。現在では入社から8年以上が経過しますが、実際に入社当初に思い描いていた「社会インフラに貢献できる仕事」をまさに実感できる環境で働くことができています。
「絶対に停電させない」ミッションに挑む
私が所属する受配電システム技術課では、商業施設や大規模工場に納入する受配電設備の「取りまとめ設計」を担当しています。受配電設備は、電力会社から受け取った電気をお客様の施設内で使えるように変換・分配する、電力系統の中継地点のような存在です。扱うのは配電盤、変圧器、監視装置など多岐にわたり、それらを一つのシステムとして設計します。
仕事は受注後、お客様との詳細な打ち合わせからスタート。大まかな系統図は事前に決まっていますが、盤の色やハンドルの形状といった見た目の要望から、「こういう電気的な繋がりを実現したい」といった専門的なニーズまで、細かくヒアリングし形にしていきます。
特に印象に残っているのは、大規模データセンターの案件です。「絶対に停電させない」という高い要求に応えるため、あらゆる故障パターンを想定し、100を超えるケースを検討しました。大変ではありますが、顧客や関係者と議論を重ね、協力して課題を乗り越えるプロセスは、大きなやりがいを感じます。また最近では、渋谷の再開発プロジェクトで開業した新しいビルの受配電設備設計等も担当。仕事のダイナミックさもさることながら、無事に受電し施設が社会の一部として機能し始める瞬間の感動は何度経験しても色あせません。
世界に触れて広がった、技術者としての視野
入社以来、国内向けの業務を担当してきましたが、昨年、海外OJT制度を利用してアメリカ・ペンシルバニア州にある工場へ赴任する機会を得ました。これは海外拠点で1年間ナショナルスタッフと協働する社内研修制度です。アメリカでは変電所向けの遮断器設計や生産技術改善など、普段とは違う業務を経験。英語力はもちろんですが、現地の働き方や文化に触れたことも大きな収穫です。
例えば、問題解決のアプローチもそのひとつ。日本では関係者でじっくり話し合うことが多いですが、アメリカではトップダウンで迅速に方針が決まる場面もあり、スピード感の違いを感じました。どちらが良いということではなく、多様な価値観を知ることで視野が広がりました。
今後は、この経験を活かして海外の社会インフラ構築にも貢献していきたいと考えています。 日本の製品は高品質ですが、それが価格に反映されやすい側面もあります。海外のニーズや価値観も理解した上で、最適なソリューションを提供していくことが今後の目標です。当社には海外研修をはじめ各種教育・研修が充実しており、常に学び続けられる環境があります。社会を支えるスケールの大きな仕事に挑戦したい、技術者として成長し続けたいという方にとって、非常に魅力的な会社だと思います。